電波望遠鏡として生まれ変わる!

--- 旧 KDDI 茨城衛星通信センター通信アンテナの電波望遠鏡への改造計画の成果 ---

国立大学法人茨城大学、自然科学研究機構国立天文台


 茨城大学と国立天文台が共同で研究開発を進めている日立32メートル電波望遠鏡(旧 KDDI 通信アンテナ)が、超長基線干渉計(VLBI) 試験観測に成功しました。また、高萩32メートル電波望遠鏡もファーストライトを迎えました。

 2008年より改造を開始した旧 KDDI 茨城衛星通信センターの通信アンテナ2台は、日立32メートル電波望遠鏡および高萩32メートル電波望遠鏡として生まれ変わりました。先行して整備をすすめている日立32メートル電波望遠鏡は、2009年11月24日のファーストライト以降、VLBI 観測の準備を行ってきました。去る2010年6月10日午後10時〜12時(日本時間)には、VLBI 試験観測を初めて行い、成功しました(ファーストフリンジ)。VLBI 観測に参加したのは、国立天文台水沢 VLBI 観測所の水沢20メートル電波望遠鏡(岩手県奥州市)、同 入来20メートル電波望遠鏡(鹿児島県薩摩川内市)、および日立32メートル電波望遠鏡の3台です。8月下旬には、中国上海の25メートル電波望遠鏡との VLBI 試験観測も計画中です。

 また、2010年7月1日には、高萩32メートル電波望遠鏡もファーストライトを迎える事ができました。今後は日立・高萩の2台の電波望遠鏡を更に調整開発を進めて性能を高め、2010年末から本格的観測を開始し、太陽の8倍以上の大質量星が今まさに生まれている領域の探査や誕生過程の解明、活動銀河核[AGN] における高エネルギー放射の起源の解明などを目指します。


記者発表資料 (22 MB)
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