研究

宇宙物理学の観測研究

最近の研究成果

銀河の運動が巨大分子雲の進化に及ぼす影響(2014年7月30日)

東アジアVLBI観測網を用いて星形成過程における「星の材料」の運動計測を開始!(2014年7月30日)

ヨーロッパの電波望遠鏡との VLBI 観測に成功!(2014年4月10日)

研究の概要

大口径パラボラアンテナ2基を活用した高感度電波望遠鏡システムにより先端的な電波天文学研究を推進します。ひとつには、2つの波長による同時観測により、変動する天体のメカニズムを解明します。例えば、大質量の星が誕生する領域から発せられる水メーザーとメタノールメーザーを同時観測することにより、メーザー発生機構と星誕生環境を明らかにします。また、アンテナ2基を連動させた高感度2素子干渉計により宇宙の奥深く遠方にある電波源の変動をも捉え、宇宙進化の過程で変化するダイナミックな天体活動の歴史を紐解くことを目指します。さらには、北関東200km圏内に口径32m超級のアンテナ5基を配置した光結合超長基線干渉計(VLBI)は、世界最高感度の宇宙電波の観測装置となり、遠方の宇宙深くに存在する電波銀河を観測し、宇宙進化の歴史の中で、銀河が誕生し、激しい星形成と超新星爆発を多発させる様子を捉えることができるようになります。

研究内容-星の誕生と天体活動の研究

●2単鏡による2波長同時観測
    メタノールメーザーと水メーザーの同時観測による星形成の研究

●2素子干渉計による高精度の電波強度変動観測
    若い星におけるフレアとメーザー発生機構の研究
    活動的銀河核におけるジェット発生機構の研究

●超広帯域電波干渉計による高感度観測
    爆発的星形成銀河における超新星爆発の研究
    重力レンズ観測による宇宙の進化と空間構造の解明

●超長基線電波干渉計(VLBI)による超微細構造の観測
    活動天体(星、銀河)の微細構造の解明

 

先端的な観測研究

2素子干渉計による高精度の電波強度変動観測

既存の電波強度変動の継続的な観測は、ヘルシンキ工科大学とミシガン大学で行われているが、何れもアンテナは一つであり、それらの口径も小さいことから、大口径アンテナ2基を干渉モードで結合した2素子干渉計は国際的に重要な観測装置となる。大型の国際共同宇宙研究施設が稼動または稼動しつつある現在、継続的な高感度の電波強度変動モニタリング観測は、これら大型施設による研究効率を飛躍的に高める重要な観測となることから、現在、研究開発が進められている。

超広帯域長基線電波干渉計による高感度観測

従来の超長基線電波干渉計(VLBI)は、各アンテナから得られた情報を磁気テープに書き込み、これらのテープを集めて各アンテナ間の電波信号を相関処理して天体像を描いてきたが、光結合VLBIは、各アンテナ間を光ファイバーで結合することにより、各アンテナの情報を従来の数十倍大量に取り込む(受信帯域幅を大幅に広げる)ことができ、それだけ微弱電波を観測することができるようになる。この新しい装置により、遠方の宇宙深くに存在する電波銀河を観測できるようになり、宇宙進化の歴史の中で銀河が誕生し、銀河間衝突により激しい星形成と超新星爆発を起こしながら進化する銀河と銀河団の進化を捉えることができる。国土の狭い我が国で宇宙観測に利用できる大口径パラボラアンテナが関東圏に多数密集する利点を活かしたシステムである。関東圏には、日立・高萩以外に鹿島34m(情報通信研究機構)、つくば32m(国土地理院)、長野県臼田64m(JAXA)、長野県野辺山45m(国立天文台)がある。既に日立・高萩アンテナを除くアンテナ網では、光結合VLBI実験を済ませているが、既存のアンテナ網の地理的配置に欠陥があり、これらのアンテナ配置が一直線上に分布いることから、VLBI観測で天体の像を描くことを困難にさせている。日立・高萩アンテナが加わればアンテナ網は三角形状を成し、精密な天体像を描くことが可能となる。日本と同様に狭い国土にアンテナを配置するイギリスも、同様の超長基線電波干渉計(VLBI)(MERLIN)を開発しているが、アンテナ網を構成する各アンテナの面積を合計した有効開口面積は関東ネットが勝っており、基線長が200km級のVLBIでは関東ネットが世界トップとなる。2010年末には日立・高萩アンテナが関東ネットに結合される。

 

大学連携VLBIおよび東アジアVLBIと結びついた超長基線電波干渉計による天体の超微細構造の研究

茨城局は、国内、東アジア、スペースVLBI(超長基線干渉計)網を強化し、高分解能の観測により、宇宙、天体の微細構造を明らかにします。これらのVLBI網の中で茨城局は、電波望遠鏡の密集地域に属し、高解像度の天体像を作成する上で重要な役割を果たします。

※VLBIとは?